こんアロ~♪アロハ保育園非公式キャラの「アロ」です。
今月もアロハの保育士が選んだ絵本を紹介するよ!

第9回は、アロハなかやま保育園のK先生です。
K先生は、壊れたおもちゃもすぐに直してくれる、とっても器用な先生だよ!

アロハなかやま保育園のKです!
よろしくお願いします。

K先生が選んでくれた絵本は、さいとう しのぶ 作「おいしい おと なあに?」と、さいとう しのぶ・作/みね よう・原案「あっちゃん あがつく たべものあいうえお」です。
それでは「おいしいおとなあに」から、よろしくおねがいしま~す!
表紙はくまちゃんが…おべんとうをぱくぱく食べてるね!これはどんな感じの本なのかな?

「おいしいおと」というタイトルの通り、いろんな動物がいろんな食べ物を食べるときの「音」が描かれている絵本だよ。
一番最初に出てくるのはこのカバさん。「ぱく もぐもぐ」パンを食べてるね。

わぁ、パンがみんな、笑ってるね?

さいとうさんの絵柄、全部の食品にお顔がついてるっていうのがとっても大好きなの。
次は豚さんがおうどんを「ツルッ ツルツルッ」って食べてるよ。

ここでも食べ物とかにいろんな顔が!
なんか困ってる顔してるのもいるね。スープをこぼして困っちゃったのかな、それを見て笑っているのもいて…ページの中にいろんなストーリーがあるんだ。

メインの大きな動物たちのほかに、いろんな食品なんかがキャラクターになっていて、動きがクスっと笑えるの。横で煎茶さんがプププと笑ってるとか…画面のあちこちでストーリー展開があってかわいらしいんだよ。
次のページはライオンさんが大きなチーズハンバーグを食べようとするところ。うれしそうな顔!
音は「ジュージュージュー」。「あっちっち」とかでは無くて、ハンバーグが「ジュージュージュー」なんだね。

テーブル上のソースたちが、慌てた顔で逃げてる~!

ライオンさんが怖いんじゃなくて、ハンバーグ山が噴火して溶岩から逃げている様子なのかも。いろいろ想像できるね。

次はわたしの一番好きなページです。(ワニがコタツでせんべいをかじっているページ)
いままで食品を扱う絵本をいっぱい集めていて、音の本もいろいろあるんだけど、わたしの中でのおせんべいを食べる音がフィットする、これが唯一の本!
「バリッ バリッ ボリッ」ていう音の感じが、私がぴったりはまったところなんだ。
そして何となくこのワニさんのだらしな~い感じもちょっと自分に似てるかしらと思って。

コタツで靴下を脱いじゃうとこね!

つま先だけで履いてる感じね!

ゴミがゴミ箱に届いていないとこね!

何となく、ほっこりというか、気取りのない、安心するかんじ…笑

定規で背中掻いてるのもいいねぇ~この音も「バリボリ」なんじゃない?

ワニさんの背中だからねなるほどね!周りのアイテムも全てがワニなんだよね
ワニ新聞だし、テレビのアナウンサーもワニだし、カレンダーもワニだし。
すごく人間ぽいのに、でも動物ひとつひとつのキャラクターがそれぞれ生きててかわいらしいなぁ。

他にもオススメのページはある?

ここ(動物のお母さんがカレーをよそうページ、周りで子どもが期待のまなざし)も食べる音では無いんだよね。「ぐつぐつとろ~り」。食べる音なら「むしゃむしゃ」とかいろいろ付くのかもしれないけど、ここはカレーの一番いいところでの「ぐつぐつとろ~り」。

平穏、ほっこりな感じ~

昭和って言い方は失礼かもしれないど、むかし、こういう風景だった。自分がこういう立場に居たなと覚えてる。
「カレー!おいしそう!」って待ち遠しそうにしているのが、とても良いよね。

擬人化された動物さん、誰も困ったりしてないね。み~んな嬉しそう。
この本とはどこで出会ったの?

一番最初に出会ったさいとうさんの絵本は「おべんとう」の本なんだけど、他の先生が違う本を持ってて「あっこれもあるんだ」と思ったら気になっちゃって!
さいとうさんの絵本をひたすら探して、本屋さんに通って…

じゃあさいとうしのぶ先生のファンになったんだね!
今日は他にもさいとう先生のご本をたくさん用意してくれてたね。

色んな本屋さんをずーっと回って集めたの。作者さんをおっかけて絵本を探していくことが増えたよ。

読み聞かせたりもするの?

読み聞かせもするよ!
たとえばワニさんのバリボリというところは、見た瞬間に子どもたちが「おせんべー!」とかの反応をしてくれるけど、「じゃあどんな音?」って聞いてみると、子どもならではの音を教えてくれる。
「バリッ バリッ ボリッ」だと大人の表現だと思うんだけど、「ガリガリ」とか「バクバク」とか。

じゃあ「おとなあに?」ていう本だけど、絵だけでも十分楽しめるんだね。
背景や小道具でいろんなストーリーが浮かぶもんね。

そう。文章が無くてもいける。
わたしもたぶんそっちの方が好き!

では「あっちゃんあがつく」。この本は言葉・音遊び。
「あっちゃん あがつく アイスクリーム~♪」って歌いながらページをめくっていくの。
そして音は「あ」から「ん」までじゃなくて、濁音「がぎぐげご」や「ぱぴぷぺぽ」まであるんだよ!

わ~!たのしい~!
えっ、「ん」まであるの?「ん」まであるの!?
そして楽譜もついてる!

メロディーはこの楽譜や他の保育士さんと微妙に違ったりもするんだけど、わたしは更に…
「あっちゃん あがつく アイスクリーム~♪」「冷たいっ」
「いっちゃん いがつく いちごじゃむ~♪」「あま~い」
って後ろに付けちゃったりしてる。

オリジナリティ!

こんな風に好きに楽しんで、歌って、ページをめくっていくの。
そしてある程度ひと通り読むと、自分の好きなページだけを延々と見てる子もいておもしろい。
ずーっとその食べたいページ、自分が好きな食べ物のページをひたすら見てるの。

これもひとつひとつの食べ物に顔があって、ストーリーがあって。

隅から隅まで眺めていられる~。
メロディーも言葉も非常にシンプルだから、誰が聞いても耳に残るんだよ。ちっちゃい子は特に。
乳児さんでも、このリズムはたどたどしくても歌えてるよ。

これだけ(69音!)くりかえしたら覚えるのかな

でも最後まで読み切ったことが無いの笑

多すぎるか~~笑

みんなが好きなページで終わっちゃう笑

K先生はどのページが一番好き?

わたしがこの絵本と関わりを持ったのは…加配のお子さん※が居て、その一人目のお子さんがこのページをとっても気に入っていていたの。
(※加配のお子さん…配慮の必要なお子さん)

おべんとうのページだね。ふりかけパラパラ。

このふりかけをずっと指さしてるお子さんだった。
のりたまのふりかけをお家でも食べてたのかな。
わたしも必然的に「いいね、ここね」って声をかけながら、ひとつずつ何回も、毎日同じことをやった…っていう、思い出のあるページなんだ。
その子が卒園して5~6年たった後?にまた加配のお子さんに会うことがあって。その子はこのページ(ひなあられ)がすっごい好きで、何をどうしてもパッてここをめくれちゃうくらい、このページが大好きなお子さんだったよ。
ひざに座らせてわたしがこれ歌うとひたすら本を指でつついててね、アイスクリームとかチョコレートとか他のページもキャッキャッと喜びつつ、必ずここに戻ってきてた。

加配のお子さんとコミュニケーションがとれたページだったんだぁ。

お話や会話をすることが難しいお子さんだったから、こちらがその言葉や気持ちを拾ってあげなきゃいけないんだけど、困ったときにその子が絵本を持ってきて指をさすと「あ、そういうことを言いたいのかな」って分かったりね。

最後のページは「ん」!「ん」もあるのか~~

ここも好きだったな~最後の晩餐風だよね
ふりかけページが好きだった子はここで「ゼリー、ゼリー」てずっと言ってたなぁ。もう一人はケーキのイチゴが好きだったお子さんで、ここで「イチゴ、イチゴ」ってずっと言ってた。
もう今は小中学生になってるかな…

この本覚えてるかな?

忘れないんじゃないかな?そういう子たちってほんとにそのまま純粋に育ってるんだろうね。

じゃあその子たちとの思い出が詰まって、ほんとに大切な絵本になったんだね。
ご自身のお子さんにも読んであげたりした?

すっごい読みました!
この本は娘が成長してから出版されたので違う本だけど、本を読むということがすごく好きだね、今も。

では、おうちには、もっとたくさんの本が…

…はい。あって、たいへんなことになっています笑

おうちが図書館みたいで、きっと楽しいね!
K先生、ありがとうござました♪

絵本情報
おいしい おと なあに?
さいとう しのぶ・作
出版社:あかね書房
出版年:2002年
あっちゃん あがつく たべものあいうえお
さいとう しのぶ・作/みね よう・原案
出版社:株式会社リーブル
出版年:2001年


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